ダイビングボートでカメラを持っていると、ソニーのミラーレスはどうですか?と、たまに聞かれる。よく中身が分かるものだと感心するけれど、このカメラは動画専用で、写真は一枚も撮りませんと答えている。
一眼で動画を撮ることは陸では当たり前になっているけれど、ダイビングシーンでは違う。まず一眼を動画専用で使っている人なんて見たことが無い。ノーティカムのハウジングに長いアームと大光量のストロボというのが定番スタイルで、自分が使っている安物のハウジングは完全に格下に見られている。
でもたまに、動画はどんな感じですか?と聞かれるので、思ったことを色々と書いておくことにします。ちょうどこのカメラを使い始めて一年ほど経つしね。
最初は写真モードにしておいて、動画ボタンを押して動画を撮る、というスタイルにしていましたが、設定が面倒だったりしたので、いまでは動画Aモードに固定して使っています。このため、シャッターボタンを押してもスチル撮影はできません。「写真は一枚も撮りません」と答えているのはこのためです。
元々はGoProを使っていましたが、大深度でのザラザラ感や、映りのイマイチ具合に嫌気して、一眼に乗り換えました。とにかく深い場所でも綺麗に撮りたいという理由だったので、最初は常に開放で撮っていました。フォーカスエリアを広めに取ると、手前の岩にピントが合ってしまい、ターゲットがピンボケになるという現象が出たので、フォーカスは中央固定を多用しています。同様に測光エリアも、水面バックで下から煽って撮るような場合、ターゲットが暗くなってしまうので中央重点を多用しています。絞り開放でフォーカスを中央固定にした場合、キッチリ真ん中に獲物を捉えると素晴らしい画が撮れますが、ちょっとでも外すとピントが行ったり来たりすることになるので、非常にピーキーな設定と言えるでしょう。
そしてこのカメラ、手振れ補正が効きません。アクティブ手振れ補正は付いていますが、GoProに比べてしまうとほぼ効かない言って良いでしょう。とにかくカメラを動かさないようにしなければ、使えるシーンが激減してしまいます。
撮れた画は、青被りしています。撮って出しでは使えないと思います。オリンパスのTGシリーズの吐き出す画なんかを想像しているとガッカリします。なんなら GoPro の方が綺麗かもしれません。高画質の画を色補正して使うことが前提となります。Slog撮影してダヴィンチリゾルブで色補正。これが基本です。
最近は少し絞るようになりました。F4 とか F5 くらい。ISO感度を10000とかにするとザラつきます。フレームレートは60pにしています。24pにしたほうが明るく映るのではないかと思っていましたが、60pにしてもシャッタースピードが 1/30になるのを確認して以来、ずっと 60pで使っています。
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